コラム&レポート

ダイエットする時に運動が必要だということは誰でも何となく知っている。汗をかくと、何だか痩せたな〜という気になるのも確かであるが、現実にはなかなか運動で痩せるのは難しい。運動によって消費するエネルギーは意外と少なく、特に体脂肪の消費ということで言えば微々たるものである。一説によれば、運動する人ほど体重が増えやすいとさえ言われるほどである。

運動で消費する脂肪の量
運動で消費する脂肪の量はどの程度であるか。例えば体重50キロの人が1時間、少し早足で歩いたとして消費するエネルギーは150〜200キロカロリー。その内、始めの10分間は主に筋肉中のグリコーゲンがエネルギーとして利用され、その後も血液中のブドウ糖が主に使用され、体脂肪が消費されるのは20分以上経ってからである。体脂肪1グラムは約7キロカロリーのエネルギーを持っているので、一時間の早歩きで消費する体脂肪は10〜20グラム程度。100日続けてやっと1キロ、2キロの減少である。運動後におむすびを一個食べていれば、運動は無かったことになるというのが現実なのだ。


特に、運動すると食欲が増したり、運動したから食べても大丈夫などと考えてしまいがちな為、カロリー収支を負に傾けることはとても難しい。実際には、人間は無意識のうちにカロリー収支を調整しており、消費するエネルギーが増えれば吸収するエネルギーも増えるようになっている。意図的なカロリーコントロールをしなくては、1時間の運動であってもあまり体重の減少には貢献しないのである。

除脂肪体重と基礎代謝
では、筋力トレーニングなどの運動によって除脂肪体重を増やして基礎代謝を上昇させるのはどうなのか?基礎代謝とは人が生きていく為に必要な最小限のエネルギー。全エネルギー消費量の70%近くを占めているのだが、実際にはその大部分が脳や内臓によるエネルギーの消費であり、筋肉による消費は20%程度に過ぎない。つまり筋肉を多少増やしたところで基礎代謝がそれ程上がるものではないのである。ダイエット中の運動が基礎代謝量の低下を防ぐという理論も脆弱なものであり、実際の統計によると運動によって筋量を維持しながら減量をしても基礎代謝量は大きく低下することが知られている。

ダイエットでの運動の価値
こうして見てくると、運動療法が無意味なものにさえ思えてくるかもしれないが、決してそういうわけではない。ダイエット時に行なう運度の意味としては、

■エネルギーバランス調整力の向上
⇒運動をしている人の方が、エネルギー摂取と消費のバランスが取れている。(エネルギーの過剰摂取を予防)

■内臓脂肪量の低下
⇒脂肪の中でも内臓脂肪は付きやすく、減りやすい。運動の習慣があると、内臓脂肪量が低下しやすい。

■糖尿病、インスリン抵抗性の改善
⇒身体活動量を増やすとインスリン抵抗性が改善され、糖尿病や高インスリン血症が改善される。これにより脂肪が付きにくい体質となる。

■身体活動量の増加
⇒運動によって体力が増加すると、普段から体を動かすのが苦で無くなる。

■ストレスの解消
⇒ダイエット中は普段よりもよりストレスが溜まりやすい。適度な運動を楽しみながらやることで、ストレスの解消となる。嫌でたまらないのに、無理に運動をするのではストレス解消にはならないが。

結局のところ、運動だけで痩せようというのはなかなか難しいのであるが、ダイエットをする上で上記のような重要な意味を持っている。だから、運動していてなかなか痩せなくても当たり前だと思って、健康の為に上手に楽しく運動を取り入れるというスタンスで臨むのが良いのかもしれない・・・

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